NEC,ウェアラブルグラスによる仮想キーボード技術を開発

NECは,ウェアラブルグラスを用いて,作業者の腕を仮想キーボード化し,非接触での操作を実現する「ARmKeypad Air(アームキーパッド・エアー)」を開発した(ニュースリリース)。

これは,ウェアラブルグラスと画像認識技術を用いて,作業者の前腕に仮想キーボードを表示し,業務のハンズフリー化を実現する技術。

同社は昨年11月,ウェアラブルグラスとウェアラブルウォッチを用いて作業者の腕を仮想キーボード化する「アームキーパッド」を開発し,実証実験を進めてきた。これは,腕へのタッチ(振動)によって入力を判別する技術だったが,無菌状態での作業が必要な現場や衣服が汚れることが想定される現場,腕にデバイスを装着できない医療現場などでは,非接触・ハンズフリーでの操作性が求められる。

今回,非接触操作を実現したことで,無菌状態の維持や接触に伴う感染リスクの低減が求められる現場での使用が可能になった。また,前腕上に大きなキーエリアを配置できるため操作がしやすく,仮想キーボードであるため利用シーンに合わせてキーレイアウトを自由に変更でき,フリック操作による表示データの入替えなども可能で,音声入力が困難な騒音下での利用にも適しているとしている。

QRコードなどのARマーカー(その他,例えば企業のロゴなどでも可)のついた手元を画像認識することですぐに仮想キーボードが出現し,入力操作を開始できるる。このため,ハードウェアコントローラのようにデバイスを取り出す,手に持つといった動作のために作業を中断することがない。また,ウェアラブルウォッチの着用も不要なため,腕にデバイスを付けることが不適切な現場で有効だという。

同社では,この技術が有効な場面として,デバイス装着により製品を傷つける可能性のある製品ラインや接触による菌の転移が課題となる食品加工プロセス,油などで手が汚れる作業現場などのほか,接触による衛生面を気にする医療現場などを想定している。