昭和電工ら3社,植物工場を海外で展開

丸紅,昭和電工,千代田化工建設は,3社共同で,完全人工光型植物工場の海外展開を推進していくと発表した(ニュースリリース)。

3社が推進する植物工場は,日照が不足または極端に変動する場所でも安定して栽培が可能な,完全人工光型。昭和電工が開発した「S法(SHIGYO®法)」を活用することにより,高い生育速度と収穫量を実現することができ,照射するLED光の波長と強度を制御することで,野菜の味や硬さをコントロールすることもできるとしている。

各社の役割として,昭和電工は「S法」と栽培システムを提供。国内や宇宙ステーションでの作物栽培の実証研究で培ったノウハウを活用して千代田化工建設は設計・調達及び管理を行なう。丸紅は植物工場の推進及び市場開拓を行なう。

植物工場は,北欧やロシアなどの日照時間が少ない地域,中東など水の確保が困難な地域,アフリカなど紛争で荒廃した地域にも有効。レタスなどの葉物野菜を,季節を問わず毎日収穫することができ,食の安定供給に寄与する。

今回,第一弾として,3社は,アラブ首長国連邦(UAE)最大財閥のAl Ghurair Group(アルグレアグループ)と共同で,2017年1月にドバイで植物工場の実証プラントを導入する。

アルグレアグループが1年間のフィールドテストを行なう。同グループは,植物工場での栽培ノウハウの蓄積,及び中東におけるマーケティングを行なうとともに,商業用の大型工場についても導入していく見込み。

丸紅,昭和電工,千代田化工建設は,この実証プラントを,植物工場の導入を検討している顧客向けのショールームとしても利用し,中東を中心に植物工場の海外展開を推進していく。