オン・セミ,近赤外線の感度を向上したCCDを発売

オン・セミコンダクターは,CCDイメージセンサーの近赤外線の感度向上技術により,要求の厳しい産業用アプリケーションにおけるイメージング性能を向上した新製品「KAI-08052」を発表した(ニュースリリース)。

新製品は,8メガピクセル(MP)のイメージセンサー。近赤外線(NIR)波長において、同社標準のインターライン・トランスファー型CCDピクセル設計の最大2倍の感度を実現した。

これにより,科学・医療画像などの,標本がNIR波長で放射したり蛍光を発するアプリケーション,あるいはマシンビジョンや高度道路交通システム(ITS)な
ど,NIR照明が頻繁に使用されるアプリケーションにおいて威力を発揮する。

新製品で使用されている新しいCCDピクセル設計は,シリコンにおける電子捕獲域を深く広げることにより,長波長の光子(フォトン)により発せられた電子
の捕捉性を向上させる。より深いピクセルウェルは,特定の波長によって最大2倍,NIR波長の検知を向上させる。

また,ウェル構造は,互いのフォトダイオードを隔離するため,イメージの鮮明さ(変調伝達関数またはMTF)を損なうことなくNIR感度が上昇する。この新技術は新製品に初めて適用された。

新製品は,モノクロ,ベイヤーカラー,およびスパースカラー構成でRoHS対応のCPGA-67パッケージで提供され,既存の「KAI-08051」イメージセンサーの5.5 μmおよび7.4μmCCDイメージセンサー・ファミリーと完全なピン互換性があるため,カメラメーカーは,新しいデバイスを素早く採用できるという。