NEDO,太陽光発電の遠隔出力制御システムの開発に着手

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は,天候によって出力が変動する再生可能エネルギーを安定的かつ最大限に活用するために,太陽光発電の遠隔出力制御システムの開発に着手する(ニュースリリース)。

太陽光発電や風力発電等の再生可能エネルギーは,天候によって出力が大きく変動することで電力の安定供給に悪影響を及ぼすことがあるため,出力変動を予測するなどの電力系統の安定運用に向けた取り組みが重要となる。

また,再生可能エネルギー固定価格買取制度の省令改正(2015年1月)により,新たに系統に連系する太陽光発電と風力発電の設備に遠隔出力制御システムの導入が義務付けられた。しかしながら,通信方式の標準化や事業者側の設置する装置の規格化はされておらず,システムの標準化と低コストでの実用化が求められている。

NEDOはこれまで,風力発電をはじめとする再生可能エネルギーを普及拡大するため,出力変動に対応した電力系統に関する技術開発を推進してきた。今回新たに,大規模から家庭用を含む小規模までの太陽光発電設備に対して,通信回線を用いた出力制御を行う遠隔出力制御システムの開発と実証試験に着手する。

具体的には,電力会社の中央給電指令所などにおいて,地域内に分散している太陽光発電設備の発電出力を把握し,これを踏まえた出力制御の指令を行なうための機器や発電出力のマネジメントシステムの構築のための実証試験を行なう。

また,エネルギーマネジメントシステムや蓄エネルギーとの連動などを踏まえた需給制御手法の開発と実証,自端制御機能を備えたPCS(パワーコンディショナー)機能の高度化開発も行なう。これらを通じて,再生可能エネルギーを最大限活用した電力系統の安定制御を実現する。

委託予定先:東京電力ホールディングス,東京電力パワーグリッド,関西電力,北陸電力,九州電力,東京大学,早稲田大学,エネルギー総合工学研究所