ローランド ディー.ジー.と光産業創成大学院大学は,「フェムト秒レーザーを使った加工技術の研究」をテーマに,共同研究を開始したと発表した(ニュースリリース)。
フェムト秒レーザーは,フェムト秒(1000兆分の1秒)というごく短い時間にエネルギーを圧縮し,瞬間的に強い光を放つ。
フェムト秒レーザーを照射した箇所は,熱の影響を受けるよりも早く粒子化(イオン化)し,照射部周辺への熱影響(盛り上がりや歪み)も限定的であることから,高硬度な素材を精巧に加工する場合や,外科処置において周辺組織への影響を排除しながら施術する場合に力を発揮する。
現在,産業用の金属や炭素繊維の加工,角膜屈折矯正や白内障治療などの医療用途,バイオ関連の研究開発などで実用化が進む一方,フェムト秒レーザーの生成に必要な発振器の小型化やコストダウン,加工時の材料の変化に対する知見とノウハウの収集が課題になっている。
ローランド ディー.ジー.は,同社の小型3次元切削加工機とフェムト秒レーザーを組み合わせることで,同社の事業領域である,3Dものづくり分野やヘルスケア分野での可能性を探るとともに,デスクトップレーザー加工機の製品化の端緒を開くことを目標としている。
一方,光産業創成大学院大学は,レーザー加工の最先端技術を用いた新たな産業の創成を目指していきたいとし,ローランド ディー.ジー.の多軸制御加工機を使って被加工材料がどのように変化するかについての研究を推進し,様々な産業分野に,最先端のレーザー加工技術を適用していきたいとしている。