凸版,液晶調光フィルム企業との協業へ

九州ナノテック光学と凸版印刷は,液晶調光フィルム事業での協業に合意した(ニュースリリース)。液晶調光フィルムは,液晶を使い電源のオン/オフで「透明」と「白濁」を瞬時に切り替え,通過する光をコントロールできるフィルム。

この提携により,凸版印刷は,九州ナノテック光学が持つ液晶調光フィルムの販売および独占製造権を取得した。凸版印刷は2016年5月より液晶調光フィルムの販売を開始するとともに,九州ナノテック光学から技術支援およびライセンスを受けて生産ラインを新設し,2017年度前半期より量産を開始する計画。

また,九州ナノテック光学は世界初となる,電源オフの際に「透明」で,電源をオンにすると「白濁」する新タイプ(リバースモード)の液晶調光フィルムの開発に成功し,2016年9月より販売を開始する。この新製品は,非通電時が「透明」であるため,安全性が重視される自動車などの輸送機器をはじめ,さらなる用途拡大が見込まれる。この新製品についても,今後,凸版印刷が販売と量産を行なう予定。

凸版印刷はディスプレイ関連事業や建築資材分野,マーケティングプロモーション分野での販売チャネルを活用しワールドワイドに事業を展開,調光フィルム関連事業で2020年に200億円の売上を目指す。さらに両社は,凸版印刷の持つディスプレイ関連技術や表面加工技術と九州ナノテックの液晶調光技術を組み合わせ,液晶調光フィルム市場で圧倒的なシェア獲得を目指す。