島津製作所,自動化を追求した赤外顕微鏡を発売

島津製作所は,業界最高クラスとなる30,000:1のS/N比での測定が可能で,測定対象を20箇所まで自動認識する機能などを搭載して大幅な自動化を実現した赤外顕微鏡「AIM-9000」を5月12日に発売する(ニュースリリース)。価格は725万円(ソフトウェア込み,税別)。

赤外顕微鏡は,フーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)に接続して使用する装置。赤外光の反射や透過を利用して,FTIR本体のみでは測定できない微小領域を測定でき,医薬品の錠剤に付着した異物や,接触不良の原因となる電子基板の汚れの同定といった不良解析を主な用途としている。

近年,安全意識の高まりや品質管理の重要性が増していることを背景に,同社では,赤外顕微鏡の市場規模が毎年5%程度成長していると推定している。また,測定に習熟していない分析者も増えており,より微小なサンプルを短時間で手間をかけずに測定したいという要望が強まっているという。

新製品は,“簡単”かつ“自動”で微小な異物を測定できることを開発の軸としており,広視野カメラ(オプション)による容易な測定範囲の決定や測定対象の自動認識,測定領域(アパーチャ)の自動設定などが新たに可能になったことに加え,ソフトウェアに標準搭載している異物解析プログラムによって未知サンプルを素早く同定できる。加えて,同社従来製品の5倍となるS/N比を実現しており,極めて高い感度で測定を行なえる。

同社では,製薬・ライフサイエンス,石油・化学,電機・電子,機械・輸送機といった業界向けに,2016年度には単体で国内外100台の販売を計画している。