旭化成子会社,出力30mW深紫外LEDを発売

旭化成のグループ会社である米Crystal IS, Inc.は,窒化アルミニウム(AlN)の単結晶基板を用いた,水・空気・表面殺菌に使用可能な高出力殺菌用深紫外LED「Klaran(クララン)」を本年5月より販売を開始した(ニュースリリース)。

この製品は,深紫外波長(250-280nm)に発光ピークを持つ深紫外LED(UVC LED)で,世界最高レベルの発光出力(15~30mW)を有している。殺菌に最も効果的な265nm周辺の波長を発光できる小型で高出力な深紫外LEDであり,省スペースでの殺菌機能の設計が可能となることから,ヘルスケア製品,家庭用機器等における水・空気・表面殺菌など,これまで紫外線殺菌が用いられなかった幅広い分野への用途の拡大を期待している。

また,2013年10月に採択された「水銀に関する水俣条約」に代表される水銀の環境負荷に対する国際的な意識の高まりに伴い,飲料水の殺菌やラボ用超純水製造装置などに使用されている水銀ランプの代替光源としても期待できるとしている。

Crystalは,結晶性の高いAlN基板の基礎技術を有しており,電子部品の製造技術を持つ旭化成と共同で深紫外LEDの開発を進めている。2014年4月に量産販売を開始した「Optan」は,計測機器の光源として使用可能な深紫外LEDで,水質分析装置やDNA分析装置などにおいて採用されている。

今後は計測機器向け「Optan」と殺菌用「Klaran」の2つのラインナップにより深紫外LEDの特長を生かした新しい市場開拓を行なうとともに,最先端の技術開発,生産体制の強化を行ない,事業の拡大を図るとしている。