コーニングとフォード,軽量ガラスの研究結果を発表

米コーニングインコーポレイティッドは,米フォードモーターカンパニーと共同で実施した自動車フロントガラス用薄型軽量ガラスの耐衝撃性に関する共同研究論文の結果を発表した(ニュースリリース)。

共同研究では,3層構造フロントガラス―車内側に「Corning® Gorilla® Glass for Automotive」,中間に樹脂性接着層,そして車外側にソーダライムガラス―の耐衝撃性と性能を実証し,この構造のフロントガラスと,従来のソーダライムガラスによるフロントガラスとの比較を行なった。

この共同研究は,大幅な軽量化の実現と,飛び石などの衝撃に対する優れた性能の維持を可能にするフロントガラスの積層構造の設計に焦点を当てたもの。フロントガラスの積層構造に従来のガラスを用いた場合と「Gorilla Glass」を用いた場合について,それぞれの飛び石に対する耐衝撃性を評価し,両タイプのガラスに衝撃試験を行ない,車内側ガラスの亀裂発生頻度を記録した。

その結果,従来のガラスを用いた積層構造の場合,通常のガラス厚5.0mmから4.0mmに薄型化すると50%以上の確率で車内側ガラスの破損が発生した。対照的に,「Gorilla Glass」を用いた場合,40%薄型化して3.0mmにした場合でも,車内側ガラスの破損は発生しなかった。

これにより,Gorilla Glassを使うことで,優れた耐衝撃性を維持しながら,フロントガラスの大幅な薄型化とそれに伴う軽量化を実現することができるとしている。

なお,昨年末,コーニングとフォードは,フォードGTが軽量Gorilla Glassをフロントガラスに用いた初の量産車となることを発表している。

関連記事「サンゴバンとコーニング,自動車向け合弁企業を設立