日本電気硝子,量子ドットベンチャーに出資

日本電気硝子は,第三者割当増資によりNSマテリアルズが新規発行する普通株式を引き受けることに加え,NSマテリアルズの既存株主より発行済普通株式を取得したと発表した(ニュースリリース)。出資金額は7億3,530万円,出資比率は15.9%となる。

今回の出資を通じて両社は,NSマテリアルズが開発・製造を進める量子ドットと,日本電気硝子が持つ特殊ガラス材料技術とを組み合わせ,優れた色再現性とともに高い耐熱性・耐環境性を備える高輝度光変換ガラス部材やガラス部材に適した量子ドット蛍光体の開発を協力して進め,バックライト製品等の電子部品照明デバイスへの応用や新たな製品の開発に取り組む。

量子ドット(Quantum Dot)技術は,ナノサイズの半導体結晶物質を用いて,入射した光を別の波長(色)の光に高純度で効率良く変換することができるもの。液晶ディスプレイのバックライトに応用すれば,ディスプレイの広色域化,高輝度化,高コントラスト化,低消費電力化に貢献できる。NSマテリアルズが手掛ける量子ドット・ナノ蛍光体は,従来の蛍光体では得ることが難しい鮮やかな赤色光と緑色光に波長変換することができる点で優れている。

NSマテリアルズは,今回の資金調達により,福岡県の久留米・広川新産業団地内の新工場における量子ドットの量産体制の拡充及び,次世代量子ドットの開発,新規の応用デバイス開発を加速する。

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