TED,3D TOFカメラ開発キットを発売

東京エレクトロンデバイス(TED)は,「インテリジェント3D TOFカメラ開発キット」を4月27日に販売開始した(ニュースリリース)。

生産現場などでは,生産効率を高めるために3次元計測を活用した高精度な視覚システムや安全装置,監視システムなどが求められている。3次元認識の一般的な手法として,ステレオカメラの3次元認識手法があるが,2つのカメラを使って画像の差異(視差画像)により物体までの距離を測量するため,複雑な信号処理に伴うCPUへの負荷と装置の大きさによる使用制限が懸念されていた。

このキットで採用しているTOF(Time Of Flight)方式は,赤外光が光源から対象物を往復する際にかかる時間から距離を計測する。画素毎に時間を計測するためCPUへの負荷は小さく,ひとつのカメラで計測対応できることから装置の小型化も実現する。

TOFセンサーモジュールからのデータを制御するモジュールとして,同社のinrevium「TB-7Z-IAE」を搭載。これはARM(R)コア内蔵のSoCを搭載しているため制御部分の書き換えが可能で,ユーザーサイドでの細部にわたるカスタマイズが可能。

これにより,センサーコントローラーのユーザーアプリケーションへの最適化が容易に実現できるため,これまで期間や投資が必要となっていた組み込み評価環境の開発が不要になるという。

また,付属のサンプルアプリケーションとSDK(Software Development Kit)を活用することで,PCベースによる評価環境やホスト処理システムの構築が容易に実現できる。

同社では,FA,車載,物流,セキュリティなどの産業機器分野における視覚システム,安全装置,監視システムなどへの組み込み開発を行なう顧客向けに,2018年度までに1,000台以上の出荷を目標とした販売活動を展開していくとしている。