ソニーは,映像制作分野で4K,8Kの将来の運用に伴い大容量化するデータや,企業・教育・研究機関の保有するビッグデータの長期保存に対するソリューションとして,オプティカルディスク・アーカイブ第2世代モデルを8月末に発売する(ニュースリリース)。
パナソニックと共同開発した業務用次世代光ディスク規格「アーカイバル・ディスク」を新規に採用し,カートリッジ容量3.3TBの大容量記録を低コストで実現するオプティカルディスク・アーカイブカートリッジ「ODC3300R(追記型)」と,平均2Gb/s(250MB/s)以上の高速データ転送を業界に先駆けて実現する独自開発の8チャンネル光学ドライブユニット「ODS-D280U」を同時に発売する。ドライブユニットは1,200,000円(税抜き),カートリッジはオープン価格。
アーカイバル・ディスは,積層記録膜を両面で6層化したことで記録容量を飛躍的に増大させ,さらに記録膜1層あたりの記録容量を最大限に高めるためにランド&グルーブ記録技術(グルーブとランド両方に記録し,さらに狭トラックピッチにより1層当たりの記録密度を増大させる)を用いている。この技術によりディスク1枚あたり300GBの大容量を実現した。
カートリッジは3.3TBの大容量記録を低コストで実現する。XAVC 4Kフォーマットで最大約9時間の収録が可能。レーザーヘッドを2個搭載したヘッドアセンブリをドライブの上下に各2台ずつ搭載し,計8個のレーザーヘッドで,ディスク一枚の両面を同時に読み書きする。
この独自の高速化技術により,平均2Gb/s(250MB/s)の読み出し,ベリファイ込み(記録時)で平均1Gb/s(125MB/s)の書き込み速度を確保し,データの確実性を維持しながら高速なデータ処理を実現した。
また,記録膜に酸化物を用いることで耐久性を向上し,ISO加速度試験による保存寿命は100年を超え,長期保存ニーズに応える耐久性を保持している。ソニーはこの技術を発展させて,今後需要の増加が予測されているデータセンター向けのシステムにも活用を図る。