凸版,12時間発光する蓄光フィルムを開発

凸版印刷は,電源が不要で夜間に光る防災・減災用蓄光フィルムを開発した(ニュースリリース)。避難誘導サインや防災グッズの包装材などの用途を想定し,2016年6月中旬よりサンプル出荷を開始する。

災害などの非常時に電力供給が断たれた場合を想定した避難誘導の安全性確保について,喫緊の対策が求められている。この課題に対し,電源が不要で夜間に光る蓄光フィルムを開発した。蓄光後約12時間発光できるため,サインなどに使用することで夜間被災時にも避難場所まで安全な誘導を可能にした。フィルム形状のため加工適性も高く,包装材などさまざまな用途展開も可能だとしている。

このフィルムは,津波避難誘導標識システムの規格であるJIS Z9097に準拠した方法で60分間蓄光すると,12時間後に3mcd/㎡の残光輝度を実現。文字の確認が可能と言われる2mcd/㎡を上回っており,12時間後にも十分に視認可能。

また,独自のコーティング技術により,耐水性・耐候性に優れているため,屋内はもちろん,屋外での長期使用が可能。フィルム形状のため,ロール原反での提供はもちろん,印刷加工や成形品など幅広い用途への展開が可能。

同社は今後,サンプル提供により実証評価を行なうとともに,用途開発を進めていく。まずは自治体向けに拡販,2020年に約20億円の売上を目指す。