島津製作所,広視野・高解像度X線CTシステムを発売

島津製作所は,大型高解像度フラットパネル検出器の搭載によって,業界トップクラスの広い撮影視野と高い解像度の3次元画像を得ることができるマイクロフォーカスX線CTシステム「inspeXio(インスペクシオ) SMX-225CT FPD HR」を4月5日に発売する(ニュースリリース)。価格は8,800万円(ソフトウェア込み,税別)。

マイクロフォーカスX線CTシステムは,マイクロフォーカス(微小焦点)X線発生装置とX線検出器との間で回転する検査対象物(ワーク)のX線透視画像をコンピューター処理することで,ワークの内部構造を3次元で観察できる装置。主に,自動車部品,電子機器,リチウムイオン電池などの研究開発,検査,故障解析といった目的で利用されている。

この製品は,同社従来製品比で約4倍の面積のフラットパネル検出器や,X線発生効率を同社比で約3倍に高めた自社製X線発生装置により,業界トップクラスとなる最大1400万画素相当の入力解像度を実現。この入力解像度はこれまでの同社最上位機種との比較で8倍以上で,大きなワークを1度に撮影できることに加え,微小な領域も高精細かつ高コントラストに観察できる。

また,条件設定が簡単な新ソフトウェアなども備え,従来から得意なアルミダイカスト部品の内部観察に加え,これまで観察が難しかったGFRP(ガラス繊維強化プラスチック),CFRTP(炭素繊維強化熱可塑性プラスチック)など複合樹脂材料の内部構造や断面画像も簡単に取得でき,多様なワークに1台で対応する。