DNP,小型プロジェクター向け透過型スクリーンを開発

大日本印刷(DNP)は,小型プロジェクター向けの透過型スクリーンを開発した(ニュースリリース)。このスクリーンは,小売店の商品棚に内蔵したプロジェクターの映像を投影することで,価格表示に使用されるスペースを商品のプロモーションとして活用できる。同社では,2016年4月より販売を開始する。

現在,スーパーなど小売店の商品棚の価格表示には,液晶や電子ペーパーなどの電子棚札が多く利用されている。一方,小売店では,この電子棚札のスペースを活用し,商品の販促活動に利用したいというニーズがあるが,表示画面が小さく,白黒での表示しかできないため,値札としての利用に限定されていた。

この課題に対し,同社はプロジェクションスクリーンの設計及び,製造技術を活かし,短焦点で広い投影角を持つ小型プロジェクター向けの透過型スクリーンを開発した。小型プロジェクターから映像を投影することで,高画質な映像を鮮やかに歪みなく表示することができる。これにより,製品のプロモーションやアイキャッチ効果のある映像を映し出し,販促ツールとして利用できる。

このスクリーンは外光からの反射光を吸収するブラックストライプ付きのプリズムレンズとフレネルレンズで構成され,レンズ形状を最適化することで広い視野角を確保し,高いコントラストを実現しているため,斜め方向からでも文字や映像を鮮明に見ることができる。

横1200mm×縦60mmサイズのスクリーンに,価格のほか,商品の特長などを紹介する動画を歪みなく表示することができる。用途に応じてサイズの変更もでき,また継ぎ目なく繋ぎ合わせる横長なスクリーンのため,生活者に対してアイキャッチ効果の高い映像を提供できるとしている。

従来の電子棚札は,商品毎に設置する必要があり,商品の入れ替えや価格を変更する場合は各々の札の表示を変更する必要がある。このスクリーンでは,プロジェクターの映像を変更するだけで簡単に表示変更でき,従業員の仕事の効率が上がるという。

今後同社は,このスクリーンや映像コンテンツなどの関連製品を,小売店のほか商品棚メーカーなどに販売し,2020年度に50億円の売上を目指す。