オムロン,ファイバー同軸変位センサーを発売

オムロンは,変位センサーの新シリーズとして,ファイバー同軸変位センサー「ZW-7000シリーズ」を2016年4月1日より発売する(ニュースリリース)。

今回発売する「ZW-7000シリーズ」は,新たな測定原理である「白色共焦点方式」を搭載し,さまざまな素材や形状の測定対象物の高さを,センサーヘッドを移動させながら連続してミクロンオーダーの高精度で測定できる非接触型変位センサー。

近年,スマートフォンなどデジタル機器の生産現場では,製品の高性能化や薄型化に伴い,さまざまな材質・形状の部品が混在する中で高い品質管理が要求されると共に,製品を迅速に供給する体制が必須となっている。こうした中,品質検査の工程では,測定対象物の高さを正確かつ迅速に測定することが求められている。

しかし,従来のセンサーでは,センサーヘッドを移動させながら連続して曲面や光沢面,粗面のある対象物を測定すると測定誤差が生じるため,正確な測定にはセンサーヘッドの向きや角度を調整したり静止させたりする必要があり,高精度な計測と検査時間の短縮の両立は困難だった。

そこで同社は,さまざまな材質や形状の対象物の高さを一つのセンサーヘッドで移動しながら高精度に測定できる「白色共焦点方式」を搭載した「ZW-7000シリーズ」を開発した。この製品は高精度かつ迅速な品質検査を実現し,製品の品質向上と検査時間の短縮を両立すると共に,工程の迅速な立ち上げに貢献するとしている。

白色共焦点方式とは,センサーから白色光を色別(波長別)に集光位置を変化させて照射し,焦点を結んだ波長光だけを反射光として受光し,その色情報にとって高さを測定する原理。従来のレーザー三角測距方式では測定対象物の表面のざらつきのために発生する多重反射光をセンサーが受光する仕組みのため移動動測定が不安定となるが,白色共焦点方式では測定に関係のない多重反射光は受光しないため,ざらつきのある粗面を移動しながら測定しても安定して正しく測定ができる。

この方式により材質(鏡面,粗面,透明など)や形状(曲面,狭小スペースなど)の異なる部品が混在しても,センサーヘッドを静止することなく連続して高精度に高さを測定する。位置同期機能(EtherCAT®同期,外部トリガ同期)を搭載し,移動と測定タイミングを正しく同期できるため,移動しながら狙った箇所を高精度に測定できる。

独自の検出原理により,一つのセンサーヘッドで異なる材質・形状の部品を高精度に測定できるため,従来のように測定対象物に合わせたセンサーヘッドの交換が不要。

センサーヘッド部は光学部品のみで構成されているため,電気的なノイズや磁気的なノイズを受けない。誤測定の要因となるセンサーヘッド周辺のEMC対策や熱対策は不要になるため,従来の変位センサーでは配慮が必要であった周辺対策が不要となる。また,白色LEDを光源に採用しているため,従来のレーザー光源を採用した変位センサーでは必須であった安全対策や安全教育は不要となっている。