富士通は,ディスアグリゲーション構成を採用した次世代グローバル光伝送システム「FUJITSU Network 1FINITY」シリーズのラインアップを4ファミリに拡充し,光伝送ネットワークの構築に必要となるトランスポート,WDM,スイッチ,アクセスの各機能をそれぞれブレードとして提供する(ニュースリリース)。北米市場を皮切りに2016年度第1四半期(4-6月期)から販売を開始し,順次グローバルに展開する。
これまで光伝送システム市場では,ネットワークインフラの効率的な整備や運用を図るため,光伝送ネットワークに関連した各機能を1台に集約するオールインワン化が進められてきた。しかし近年は,国内外におけるネットワークサービスの急速な変化に,投資の最適化を図りながらいち早く対応していくため,機能ごとに分割され,個別に迅速な機能追加や性能改善を図ることが可能なディスアグリゲーション構成を採用した光伝送システムへのニーズが高まっている。
新製品シリーズは,各機能の中から,必要なものだけを選択してスモールスタートを図ることが可能なため,ネットワーク構築にかかる初期投資の削減と,需要に応じた段階的な増強投資が可能。また,それぞれの機能が個別の機器として独立しているため,最新技術の適用や継続的な性能改善を機能ごとに迅速に行なうことができる。
また,同社の既存の光伝送システム「FLASHWAVE」シリーズなどと高い互換性があるため,それらの製品をベースに構築された既存のネットワークに対する機能の拡張や補完も容易に行なえる。
さらに,同社のSDN/NFVソフトウェア「FUJITSU Network Virtuora(バーチュオーラ)」シリーズと組み合わせること,ディスアグリゲーション構成を採用したネットワークの自動化や仮想化を容易に実現することが可能となっている。
オープンアーキテクチャーを採用しているため,他社のネットワーク機器との相互接続が可能。また,オープンAPIによる標準インターフェースを採用することで,様々なSDN制御ソフトウェアを通じたOSS,BSSとの連携も容易に実現できる。
トランスポート機能を提供する「トランスポートファミリ」の「T200」では,最新のコヒーレントDSPを搭載し,世界最高水準となる超高速(最大400Gb/s)・超長距離(10,000km以上)の光伝送を実現する。
同社はこの製品を,通信事業者に加えデータセンターオペレーターなどにもグローバルに幅広く提供し,今後見込まれるIoTの普及や画像データの増加によるデータトラフィック増大に対応する,ネットワークインフラの拡大に貢献するとしている。