東芝,3次元メモリーに追加投資を決定

東芝は,3次元フラッシュメモリー「BiCS FLASHTM」の生産拡大を目的として,四日市工場に隣接する土地に,新たな製造棟を建設する計画と生産設備への投資計画について,取締役会が承認したと発表した(ニュースリリース)。

フラッシュメモリーは,スマートフォンなどで多く使われており,エンタープライズ用サーバーやデータセンター向けを中心に,今後も需要拡大が見込まれるとしている。

四日市工場では,3次元フラッシュメモリー「BiCS FLASHTM」の製造にあたり,2次元NAND型フラッシュメモリーと共通の既存の製造工程を効率的に活用するため,これらの工程に3次元化にあたっての専用工程を組み合わせる予定。

同工場において,3次元専用工程のための製造棟として,新第2製造棟(建屋全体の竣工は2016年度前半を予定)を建設しているが,さらに将来の需要拡大に対応するためには,新第2製造棟とは別に,新たに3次元専用工程の製造棟を建設する必要があるという。

そのため3月17日の取締役会で,新たな製造棟の建設計画と生産設備への投資計画が承認された。これらの計画にかかる同社の費用は,2016年度以降3年間を目途に約3,600億円を見込む。実際の建設時期,生産能力,生産設備への投資など詳細な計画については,市場動向を踏まえ,2016年度中に決定する予定。

米国サンディスク社との共同投資に関する交渉は,今後進める予定。今後も同社は,メモリ事業を注力事業と位置付け,必要な投資の実施など競争力強化に向けた取り組みを進めるとしている。

この件は2016年4月以降の実行を予定していることから,2016年2月4日に公表した2015年度(2016年3月期)の通期連結業績予想へ与える影響はないとしている。