2015年マシンビジョン市場,前年比104.8%の2,460億円

矢野経済研究所は,FAカメラ・マシンビジョンの世界市場の調査を実施した(ニュースリリース)。それによると,2015年のFAカメラ・マシンビジョン(MV)の世界市場規模は,メーカー出荷金額ベースで前年比104.8%の2,459億5,000万円で,このうち国内市場規模は同105.5%の877億5,000万円を見込む。

世界的な金融不況の影響で2009年に市場は縮小したが,その後回復した。2012年は前年までの設備需要に一巡感が見られたが,それ以降,市場は堅調に推移しているという。この傾向は国内外ともに同様であり,各製造業における設備投資需要に連動しているとしている。2015年は国内需要も好調に拡大するとみるが,全般的には国内市場は海外市場と比較して成熟してきており,今後の成長率は鈍化するとしている。

世界市場においては中国が注目されている。FAカメラ・マシンビジョン導入における生産工程の効率化や自動化は,中国において今後も大規模な需要があるとしている。その後,東南アジア地域への需要のシフトがあるものと予測する。

ドイツ政府の進めるインダストリー4.0など,製造業の高度化に向けた革新的な動きがあるが,FAカメラ・マシンビジョンのメーカーのなかには,これを大きな商機と捉えて製品展開を強化する企業もある。また製品展開のみならず,製造工程におけるソリューション型事業や支援事業に事業領域を拡大する動きもあるという。

2015年には大手企業が事業部門の売却を行なうなど,経営資源の集中の動きもあり,今後もFAカメラ・マシンビジョン業界においては事業の統合や淘汰,企業間における買収や連携が活発化していくとしている。

2015年のFAカメラの世界市場規模はメーカー出荷金額ベースで540億円の見込みであり,FA・マシンビジョン世界市場全体において22.0%を占めると見込む。FAカメラ全体としては必要な用途以外でカラー化は見られないものの,デジタル化が進んでいる。FAカメラにはエリアセンサーカメラとラインセンサーカメラがあるが,エリアセンサーカメラでは高画素化が進展し,現状で2メガ(2M)ピクセルまで標準化されており,今後は5メガ(5M)クラスも台頭するものとみる。

高画素化に伴い,撮像素子でもCMOSセンサー採用が増加している。一方のラインセンサーカメラでは高精細の解像度を求めるユーザー企業と現状機能継続の意向を示すユーザー企業とに二極化される傾向にあるという。またFAカメラと監視カメラは,各々の高機能化,高画素化により,ハード面ではなく,画像情報の共有による情報活用と解析で融合していくとしている。

2015年の汎用マシンビジョンの世界市場規模はメーカー出荷金額ベースで815億円の見込みであり,世界市場全体における構成比は33.1%を見込む。なかでもスマートセンサー(カメラとマシンビジョンのオールインワンモデル)が拡大しており,現状では既に10万円を切った価格帯に需要の中心が移行しているとする。

専用マシンビジョン(この調査では,食品・飲料用途,医薬品用途,及び生産ライン表面検査マシンビジョンのみを対象)は新しい用途分野として需要が拡大している。2015年の専用マシンビジョンの世界市場規模はメーカー出荷金額ベースで1,104億5,000万円の見込みであり,世界市場全体における構成比は44.9%を見込む。

一方で,従来の主用途である液晶や FPD(Flat Panel Display),半導体,電子部品,自動車や金属分野における需要は依然として高く,これらの用途需要(アプリケーション)を含めると専用マシンビジョンの市場規模はさらに大きいと想定している。

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