リコーインダストリアルソリューションズは,スマートフォンやタブレット端末のタッチパネルなどで使用される機能性高分子フィルムのレーザー加工の需要拡大が見込めることから,産業用レーザー加工機事業に参入すると発表した(ニュースリリース)。
その第一弾製品として,タッチパネルに用いられるITO(Indium Tin Oxide)膜などの透明導電膜と銀引出電極の同時加工を世界で初めて実現したレーザーパターニング装置「RICOH LA-1100」を3月8日から発売する。オープン価格。
タッチパネルには,指先が触れた位置情報を検出するセンサーが組み込まれている。この製品は,その位置情報を検出するため透明導電膜などに形成される回路を,レーザーを用いてダイレクトにパターニング加工を行なう装置。
従来,レーザーを用いた透明導電膜の加工は下地へのダメージが大きく実現できていなかったが,リコーが保有するピコ秒レーザー技術により,下地へダメージを与えることなく透明導電膜を加工することが可能になり,これまで個別の工程で加工していたITO膜と銀引出電極との同時加工を実現した。これにより,生産効率が著しく向上する。
また,ロールtoロール対応のレーザーパターニング装置としては世界最小の設置面積を実現し,かつ業界NO.1の低電力を実現した。コンパクトで低電力ながらも,1シートあたり50秒の高処理能力を兼ね揃える。
さらに,基材幅600mm(1500mmまでカスタム対応可)のロール状フィルム加工にも対応。幅広い加工領域においても,加工エリアを複数ピースに分割した「ステップ・アンド・リピート加工」を採用することで,ロールエンドまで連続的に処理することができる。
加えて,高いパルスエネルギー密度により,基材への熱影響による損傷を最小限に抑えられるため微細加工が可能となり,業界最先端のL/S(ライン・アンド・スペース)20μm/20μmのパターニング加工を実現した。
これらの特長により,タッチパネルメーカーや同様のパターニング工程を有する薄膜太陽電池メーカーを中心に製品の提案をしていくとしている。