島根県開発の色素増感太陽電池の試薬,発売へ

島根県産業技術センター,島根大学,神戸天然物化学株式会社の3者共同で開発に成功した色素増感太陽電池用色素について,神戸天然物化学は3月1日から試薬販売を開始すると発表した(ニュースリリース)。

色素増感太陽電池において色素は,シリコンの代わりに太陽光のエネルギーを吸収する最も重要な要素材料の一つ。色素増感太陽電池の特長の一つは高い意匠性であり,色素の持つ様々な色合 いを利用した太陽電池は,従来の太陽電池とは異なる新しい用途展開を可能にする。

現在,色素増感太陽電池は国内外で実用化に向けた研究開発が行なわれており,とりわけ近年では「もののインターネット(IoT)」技術の実用化が進むとともに,センサー等の電源としての太陽電池利用への期待が高まっている。

今回発売する「SK-121」は鮮やかな緑色という 外観的特徴に加え,色素増感太陽電池の増感材として必要な光電変換性能,耐久性能を兼ね備えている。

これまでに島根県では,赤系色素(ルテニウム系化合物:商品 名「SK-1」)を開発しており,県が開発し た色素としては赤・緑の2色となる。

島根県では,日本写真印刷と共同で平成25年から27年にNEDO (新エネルギー・産業開発機構)の助成を受け,実証実験を行なうなど用途開発を進めている。