リコーインダストリアルソリューションズは,業界で初めて部品のピッキングから組み付けまでの作業を自動化する2D/3D併用型ピッキングシステム「RICOH RLシリーズ」を3月4日から発売する(ニュースリリース)。オープン価格。
従来,産業用ロボットで製品の組み立てを自動化するためには,組み付ける部品をロボット動作に合わせて整列配膳する必要があった。部品の大きさや形状がそれぞれ異なることや一つ一つの作業が複雑であるため,ピッキングから整列・配膳までのプロセスを複数台のロボットまたは手作業で行なう必要があり,品質の安定化やコストの高さが業界共通の課題となっていた。
新製品は,アームロボットに産業用ステレオカメラ「RICOH SV-M-S1」(2015年3月に発売)を搭載。独自の3D認識技術とロボット制御技術などを組み合わせることで10mmサイズ角の小型部品をはじめ,さまざまなサイズの部品をピッキングから組み付けまで自動化することを実現した。これにより,複数台のロボットや人による作業を1台のロボットに置き換えることが可能になる。
また,2D(輝度)の形状認識と3D(視差)の位置計測を自動で切り替える事が可能なため,部品の正確な位置をすばやく計測でき,連続的にピッキング作業を行なえる。
さらに,プリント基板(PCB)へ挿入の難易度が高いリードのある電子部品などでも,挿入からはんだ付けまで自動化することができる。
電子部品業界,自動車部品業界をはじめとする,今まで自動化が難しいとされていた生産ラインを持つ業界に向け販売を開始するとともに,基板実装業界にはPCB後工程全体の自動化ソリューションを展開し,コスト削減と生産性の向上を提案するとしている。