コヒレント,ショー向け全固体レーザーを発売

米コヒレントは,ライトショーやエンターテイメント用途向けに全固体可視レーザーのラインアップを拡張し,高輝度モデル「Genesis Taipan HD」をリリースした(ニュースリリース)。

新モデルはTEM00の優れた空間モードを実現し,従来からの標準シリーズ(マルチ横モード)と同様の6波長モデル(460nm,480nm, 488nm,532nm,577nm,590nm)を2W~5Wの出力でラインアップしている。

この6種の波長でレーザープロジェクターに必要な主なカラーは網羅できており,カラーを組み合わせてD65 Whiteのような白色も作り出せる。また小型・低消費電力設計のため,既存のプロジェクターへの搭載が容易で,50kHzの直接変調機能も備えている。

TEM00の空間モードは,より鮮明なディスプレイを可能にする。回折限界のビーム拡がり角を実現することで,より小さなスポットへの投影が可能となり,結果として高い輝度が実現できる。

対照的に,ほとんどのライトショー用レーザーは,空間モードにおいて横モード発振がマルチモードのため,特に多数のレーザーダイオードやレーザーを使用している場合,ビーム径が大きく照射されてしまい,不規則で薄暗くなってしまう傾向があった。

初期の試験では,新製品は他の光源よりも1.8倍の高輝度を達成した。さらにスムーズなガウシアンビームプロファイルにより,色収差を最小にした白色ディスプレイが可能になるとしている。

すべての同シリーズは,独自の光励起半導体レーザー技術を採用している。全固体技術はユニット間の再現性に優れ,他波長モデルの展開や高出力化を可能にしただけでなく,すでに何万台という納入実績があるという。