コヒレント,イッテルビウムベースの増幅器用OPAをリリース

米コヒレントは,「Monaco」(同社製高出力フェムト秒イッテルビウムベースの増幅器)を励起光源に使用することで,広帯域チューニング,高変換効率,パルス幅sub100fsを実現する新しいウルトラファースト光パラメトリック増幅器「Opera-F」をリリースした(ニュースリリース)。

このモデルはシグナル出力で,650nmから900nm,アイドラーの場合は1200nmから2500nmの波長域をカバーする。また40Wの「Monaco」で励起した場合,最大3Wの高出力,最大3µJの高パルスエネルギー,1MHzの最大繰り返し周波数を実現する。この特長により,データの取得率もしくはシグナルの平均値の向上を必要とする研究開発用途に最適だとしている。

チタンサファイアベースの増幅器と比較し,イッテルビウムベースの増幅器は直接ダイオードで励起するシンプルな構造などのメリットを持つが,一方,イッテルビウムベースは一般的にパルス幅が長くなる。

ワンボックス「Opera-F」は,ノンコリニアファーストステージを内蔵することでこの問題を解消し,50fsの超短パルスを可能にし,さらにコリネアセカンドステージを内蔵することで,広帯域チューニングを実現している。なお,出力波長は物理的な調整を必要とせず,ソフトウェアで簡易に可変できる。

高出力と高繰り返し周波数を併せ持つこのモデルは,神経科学分野の最先端マルチフォトン顕微鏡用途に適している。その高出力は,特に空間光変調器(SLM)を使用したマルチビームイメージングにおいて優位性があるという。

また,溶媒和メカニックを含めての液相のポンププローブ実験及び,高集光性やディスプレイ/半導体産業等向けの最先端固体マテリアルの研究にも適しているとしている。

アプリケーションは,マルチフォトン顕微鏡,オプトジェネティクス励起,フェムト秒時間分解分光,表面分光など。