米コヒレントは,次世代産業用ピコ秒レーザーの新モデル「HyperRapid NX」を発表した(ニュースリリース)。
新モデルでは最新プラットフォームを用いることで,高い性能と信頼性を両立し,より広範囲の精密微細加工ニーズにおいて経済性を向上させる。この製品のIR(1064nm)モデルは,エネルギー250µJ(パルス幅典型値10ps)で,最大2MHzの繰返周波数に対応している。
例えば,装置内でビームを分岐してマルチパス加工を構成する用途などにおいても十分な出力を備え,高スループット加工を可能としている。新製品として,532nmと355nmでの高出力発振モデルも同時リリースする。
このモデルは,レーザーヘッド内にエレクトロ二クスを内蔵し,システムのさらなる小型化と高い信頼性を実現している。また最新の外部コントロール機能とトリガーモードでは,パルスごとの時間やエネルギーを制御し,高効率のアブレーションを可能にするバーストモードなど非常に高度な制御機能を提供するとしている。
そして,波長や出力に関係なく,レーザーヘッドやインターフェース,ビーム特性,電源やチラーが共通であることから,装置搭載の互換性を満たすことができるという。
新製品は,高い精度と高スループットのもと,熱影響層を最小限に抑えた様々な材料加工応用,また他の手法では難しかった材料加工へ新たな可能性を広げる。主に,マイクロエレクトロニクスやディスプレイ,太陽電池製造などに使われる脆性材料,セラミックやポリマー,複合材料などの切断やスクライビング,ドリリング,マーキングなどの応用に適しているとしている。
主な仕様は,波長:355nm,532nm,1064nm,パルスエネルギー:~≧250µJ。