ソニー,1/2.6型2250万画素 手ブレ/AF内蔵CMOSセンサーを開発

ソニーは,スマートフォンなどに向けて,画質・機能の向上と併せて一層の小型化を可能にする,1/2.6型で有効画素数2250万画素の積層型CMOSイメージセンサー「Exmor RS™(エクスモア アールエス) IMX318」を商品化した(ニュースリリース)。産出荷時期は,2016年5月を予定している。

新製品は,積層構造および業界最小の1.0μm単位画素の採用により,薄型スマートフォンにも搭載可能。1.12μm単位画素を採用した1/2.4型の従来製品から更なる小型化・解像度向上を達成しながらも,同等レベルの画質の維持を実現した。加えて,高速ハイブリッドAFと動画向け3軸電子手ブレ補正機能を,業界で初めてイメージセンサーに内蔵した。

小型サイズであっても高画質との両立を実現すべく,光の利用効率を高める製造技術と,画質劣化の原因となるノイズを低減する回路設計技術を駆使した。高解像度でありながら,スマートフォンに搭載される小型のカメラでは難しいとされている夜景撮影も美しく撮影することができる。

従来はアプリケーションプロセッサーとの組み合わせで実現していた,像面位相差AFとコントラストAFとの組み合わせによるハイブリッドAFを,業界で初めて積層型CMOSイメージセンサー内部の信号処理回路に内蔵。最速0.03秒(60fps動画時:最速0.017秒)の高速AFを実現した。

さらに,手ブレ補正技術も信号処理回路に業界で初めて内蔵。外部から入力された3軸(角度ブレ:ピッチ/ヨー,回転ブレ:ロール)ジャイロセンサーの信号を効果的に活用することにより,手ブレの少ない4K動画の撮影が可能となる。今回開発した手ブレ補正機能は,手ブレ補正と同時にレンズの歪みを補正することができ,より美しい動画撮影が可能。

また,内部のハードウェアで処理することで,アプリケーションプロセッサーでソフトウェア処理する場合よりも低消費電力を実現できる。手ブレの少ない動画撮影が可能なため,スマートフォンだけでなく,ブレが生じやすい空中撮影用のドローンなどの製品への搭載にも適している。

イメージセンサーの出力インターフェースとして,MIPI(Mobile Industry Processor Interface Alliance)の最新規格であるC-PHY1.0/D-PHY1.2インターフェースを採用することで,イメージセンサーからアプリケーションプロセッサーへの伝送が,従来に比べ高速かつ低消費電力で実現できる。

これにより,2250万画素という高解像度でも全画素30fpsの伝送が可能になった。例えば4K 30fpsの動画を撮影中でも,アプリケーションプロセッサーへ4K解像度を超える全画素で伝送ができているため,気に入ったシーンは2250万画素の静止画記録をすることも可能となり,高解像度の動画と静止画とのシームレスな撮影スタイルを実現する。