浜松医大,「光医学教育研究拠点形成事業」を推進

浜松医科大学は,機能強化への取り組みとして「光医学教育研究拠点形成事業」を推進する(ニュースリリース)。

これは,県内唯一の医学部のある同大が,社会から期待される役割と機能を十分に果たすべく,同学の特色・強みである光技術等を用いた先進的医学研究を産学連携により発展させていくというもの。

ものづくりの基盤である製造業が盛んな地域特性を活かした医療機器の開発を推進し,イノベーションを創出していくと共に,次世代を担う人材育成活動として,「光医学研究のリーダー」「光医学の素養を持った医療人」を養成していく。

今回の機能強化では,既存のメディカルフォトニクス研究センター,動物実験施設,実験実習機器センター及び産学官共同研究センターを統合して,横断的に研究を推進するための光尖端医学教育研究センターを設置する。

新センターには光トモグラフィ(光CT)の研究開発を推進するため,近赤外光を用いた拡散光トモグラフィ研究の世界の第一人者を平成27年4月に招聘し,新しい研究室を設置する。

拡散光トモグラフィ研究は,これまで同学で行ってきた光マンモグラフィや,脳深部光診断技術の開発,蛍光トモグラフィのための創薬開発等とも深く関連するため,融合研究も期待できるとしている。

また,手術用立体内視鏡や質量顕微鏡のように,実用機開発まで進展した例も増えており,産学連携による事業化も強化していくという。

そのためには新たなシーズの発掘も重要で,はままつ次世代光・健康医療産業創出拠点(通称:はままつ医工連携拠点)の運営も担っている産学官共同研究センターに,機能強化の一環として、「医療知識」,「工学知識」を持ち,産学連携や知財に明るい教員を配置することも計画する。

加えて,浜松ホトニクス社の同学寄附講座の研究環境拡充を進めており,そこには,同社開発の新たな光機器(世界唯一の定量位相顕微鏡等)の設置も行なわれ,既に今後の共同研究発展の新た光尖端医学教育研究センターの設置な足がかりとなっているという。

また,次世代を担う人材育成として,「浜松医科大学メディカルフォトニクスコース(MPC)」のコースや講義,講習会の発展的開講も進め,企業人を含めた「光医学研究のリーダー」等,人材養成を行なう。

さらに,新しい医学部のカリキュラムでは,学部学生を対象とした「光基礎医学 コース(仮)」や「光・イメージングシミュレーション医療トレーニングコース(仮)」 等を設け,実施することで,「光医学の素養を持った医療人」の養成も行なう。

同大では,この医療人が医療現場でのニーズを大学にフィードパックすることで,光医学研究・教育のさらなる発展を促し,好循環とイノベーションにつなげたいとしている。