DNP,窓に貼るだけで採光の効率を上げるフィルムを発売

大日本印刷(DNP)は,窓から入る太陽光を天井などに効果的に反射,拡散させて,部屋全体を明るくする採光フィルムのラインアップとして,リフォーム時などに既存の窓ガラスに貼り付けて同様の効果が得られる新製品「DNP採光フィルム(現場施工用)」を開発した(ニュースリリース)。2016年1月に販売を開始する。

現在,省エネルギー対策として,リフォーム時や既築の住宅の窓に貼るウィンドウフィルムは,遮熱や断熱などの熱制御機能を重視した製品があるが,一方で太陽光を効果的に採り入れ,日中の室内を明るくし,かつ電力消費量削減につなげる採光フィルムが近年,注目されている。

DNPは,ディスプレー向け光学フィルムなどで培った光学設計や微細加工の技術を活かし,光を反射,拡散させる機能を持つ採光フィルムの開発を進めている。今回,新たに要望の高かった既存の窓ガラスに貼り付けるタイプの採光フィルムを開発した。

太陽光を効率的に取り込んで室内を明るくできるように設計し,既存の窓ガラスに専門業者がこのフィルムを貼り付けることで,日当たりの悪い北側の窓に,このフィルムを使用した場合,使用前と比べて室内の明るさが2倍に向上し,照明エネルギーを13%削減できた。

このフィルムは,高い採光機能に加えて,表面を平滑にすることによって既存の窓ガラスに貼り付後も,汚れの拭き取りなども容易に行なえる。またガラスにフィルムを貼ることで,破損した際のガラスの飛散防止につながる。

さらに,最表面に保護層を付与することによって,傷が付きにくく,太陽光の照射による黄変(黄色に変色すること)が起こりづらいなどの高い耐久性を実現した。また,太陽光の紫外線を99%カットできるため,人体や家具,カーペットなどへのダメージを軽減する。

同社は新築の住宅やオフィスビル向けに,2枚のガラスの間に採光フィルムを挟んで貼り合わせた「DNP採光フィルム(合わせガラス用)」を10月に発売しているが,この製品をラインアップに追加することで,新築と既築の両方の住宅やオフィスビルなどの窓ガラスへの対応が可能になった。なお,「DNP採光フィルム(合わせガラス用)」は,大手ハウスメーカーに採用されている。