ルネサス,生産体制の集約を発表

ルネサス エレクトロニクスおよびルネサスの100%子会社であるルネサス セミコンダクタマニュファクチュアリング(RSMC)は,RSMCの鶴岡工場(山形県鶴岡市)をTDKに譲渡し,TDKがこれを譲り受ける旨の基本合意書を,11月27日に締結した(ニュースリリース)。

今後,3社はこの譲渡(譲受)に関する最終契約を2016年2月末を目処に締結することを目標に,譲渡期日や鶴岡工場の従業員の承継(再雇用)を含む詳細な条件について協議していく。

ルネサスおよびRSMCは,鶴岡工場(当時のルネサス山形セミコンダクタの鶴岡東工場、5インチウエハー製造ライン)について,年度末までの集約を目指し準備を進めてきた。

一方,TDKは,磁性素材技術をベースに電子部品事業を中核事業としており,スマートフォンなどの「ICT分野」,ハイブリッド車や電気自動車を含む「自動車分野」,風力発電や太陽光発電などの「産業機器・エネルギー分野」を重点3市場分野とし,それぞれの市場向けに電子部品事業を中心に事業ならびに収益の拡大を鋭意進めている。

現在,重点3市場分野を中心にTDKの強みを発揮した薄膜製品需要が増加しており,旺盛な市場需要にタイムリーに対応するため,RSMC鶴岡工場を取得することとした。

さらにルネサス エレクトロニクスとRSMCは,RSMCの高知工場(高知県香南市)についても,今後2から3年を目処に工場閉鎖を伴う集約の方針を決定した。現在生産している製品については,同社グループの他拠点への生産移管や,一部製品の生産中止を行なう(ニュースリリース)。

2013年8月に同社が発表した「当社グループが目指す方向性」において高知工場は「生産能力を縮小し,適正体格で運営継続」していく方向としていたが,現状の生産負荷状況および将来の生産負荷を再度検討した結果,当初想定以上に減少しており,同工場の収益性の維持が課題になっていた。