オスラム,LEDバックライトの広色域化技術を開発

独オスラム オプトセミコンダクターズは,色域のカバー率を大幅にアップし,一般的な量子ドットシートに比べて大幅にコストを節減すると共にカドミウムフリーを実現する,TV用バックライトLEDの色変換技術「Quantum Colors」を開発した(ニュースリリース)。

近年TV規格は高解像度,広色域へますます進んでいる。この技術は,緑色量子コンバータをベースに,青色チップと赤色蛍光体との組み合わせで構成されている。この技術は,EUとドイツ連邦教育研究省(BMBF)が出資するプロジェクトでその一部が開発されたもので,カドミウムが一切不要となっている。

また,緑色のスペクトルが鋭く,かつ半値幅がわずか30nmであることから広色域を達成する。例えば,DCIでは100%、BT2020では80%以上のカバー率が達成可能になる。そのため,従来広色域のためにTV用バックライトに使用されてきた量子ドットシートと比較しても利点があるとしている。

このオスラムの新技術に対しては,システムおよびその他どのようなコンポーネントも適応の必要がないため,製造工程もシステム全体的にも簡素化される。さらに量子ドットシートと比較してコストは半減するという。

また,量子ドットシートは,青味がかった経年変化を示すが,この技術はそのような挙動は無く,安定した発色を維持する。寿命は初期試験の結果を基に最低30,000時間は達成できるとしている。

現在,既にこの技術を用いた複数のプロジェクトが進行しており,本格的な市場への展開は,2016年末頃までを予定しているという。

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