ドコモ,実利用環境で2Gb/s以上の「5G」通信に成功

NTTドコモ(ドコモ)は,世界の主要ベンダーと協力し,第5世代移動通信方式(5G)の実験を進めているが,10月13日に東京都港区の六本木ヒルズ森タワーでノキアソリューションズ&ネットワークス(ノキアネットワークス)と5G技術検証実験を実施し,ミリ波の周波数帯(70GHz帯)を用いて,実際の商業施設における受信時2Gb/sを超える無線データ伝送に成功した(ニュースリリース)。

これまで商業施設のように,基地局からの見通しを確保しにくく,複雑に反射を繰り返す環境では,直進性が強く,特に減衰が大きいミリ波のような高周波数帯の電波を用いた無線データ伝送を実現することは難しいと考えられていた。

実験では,このような環境においても,電波の放射エリアを特定方向へ集中させるビームフォーミング機能と,移動する端末の動きに合わせ電波を送信するビーム追従機能により,高速無線データ伝送が可能であることを実証した。

また,11月12日に韓国(水原市)でサムスン電子と5G技術検証実験を実施し,28GHz帯の高周波数帯を用いて,基地局から見通しのある道路上を時速約60kmで高速移動する環境を想定し,120mm×60mmのスマートフォンに内蔵可能な新たな小型アンテナを利用して,受信時2.5Gb/s以上の無線データ伝送に成功した。

この実験では,減衰の大きい高周波数帯の電波をより遠方に届かせるため,多数のアンテナ素子を用いたビームフォーミング機能およびビーム追従機能を駆使することにより,高速移動環境における無線データ伝送を実証した。

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