昭和電工の光触媒,リネン向け繊維に採用

昭和電工は同社の可視光応答型光触媒「ルミレッシュ®」が,シキボウの高機能繊維に採用されたと発表した(ニュースリリース)。

この光触媒は,同社の連結子会社昭和電工セラミックスが開発した。光が当たると,光のエネルギーによって空気中の水分と酸素が反応し活性酸素を発生させ,表面上に付着した菌やウイルスを不活化させる。

従来の光触媒は主に太陽光などに含まれる紫外光により触媒機能が発現するのに対し,この光触媒は蛍光灯やLEDなど,屋内光の弱いエネルギーでも高い効果を発揮する。空港や病院の手すり,カウンターなど,人が触れる部位での実証試験が進められているほか,すでに内装用膜材やカーテンに採用されている。

今回採用されたのは,抗菌・抗ウイルス・消臭効果を持つ繊維素材「TINTA®V(ティンタ-ブイ)」で,シーツや布団カバーなどのリネン類向けをターゲットとした製品。一般的に,真っ白なリネン類には仕上げに蛍光染料が用いられているが,従来の光触媒には染料を加えると効果が減少するという課題があった。

今回,この光触媒は蛍光染料を加えても光触媒の効果が維持されることが確認され,採用に至ったという。

同社グループは,今後も顧客との協働によりアプリケーションの開発を進め,この光触媒の製品性能を向上させることで,人々の健康で安心・安全な生活の実現に貢献していくとしている。