キャスレーコンサルティングら,レーザー光をデルタ関数的に集光

キャスレーコンサルティングは,東京農工大学と共同研究を実施した画像回復技術の実験結果について,レーザー学会・第485回研究会(12月7日,東京農工大学)にて発表する(ニュースリリース)。

レーザー光は,光の波動性に起因する回折現象により,理想的な光学素子を用いても1点に集光できないことが知られている。この物理学的な集光性能限界(回折限界)は,ビームプロファイルデータを画像処理することによって改善することが可能だが,フーリエ変換における不確定性原理によって改善が制限される。

同社の画像回復技術は,従来問題であったフーリエ変換の不確定性原理の制限を全く受けることなく,デルタ関数的に集光させることに成功したもの。

今回の発表では,東京農工大学・室尾准教授より,同社の画像回復技術を用いたガウシアンビームのプロファイルをデルタ関数的に集光する様子や,優れた画像分解能を発揮する実験結果を発表するという。

同社では従来の理論限界を超えてレーザー光を検出することで,レーザー顕微鏡やレーザーピックアップ等,レーザーを用いた観察・測定技術に幅広い応用可能性を発揮するとしている。

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