クラレは光の出射方向をコントロールして,必要な方向を集中して明るくできる,日本初の異方出射導光板を開発した(ニュースリリース)。
これは同社製の透明度の高いメタクリル樹脂シートに,独自のマスタリング(原盤製作)技術を駆使してミクロン単位の微細なパターンを成形した導光板。反射光と屈折光により効率的に光を取り出し,光取出し効率~93%を実現。光の出射方向を高度に制御することで,必要な場所や方向を十分に明るくすることができる。
具体的には,出射面直下を0度とした場合,輝度最大値角度を最大45度まで対応できる。光取出し効率~93%の導光板とLEDの併用で,導光板照明では業界トップクラスの120 lm/Wを実現した。この導光板の厚さは3mmで,電源内蔵型のLED照明として業界トップクラスの薄さ20mmを実現(電源別置きで8.5mmまで薄くすることも可能)する。
従来の直下照明に比べて設置の自由度が高まることから,効率的なスペースの活用やデザイン性の高い空間設計が可能になる。折り上げ天井の隅や壁に光源を隠して設置するコーブ照明として使用した場合,施工空間をコンパクトにして空間を広く見せることができるという。
この導光板を使用したLED照明約900台が,2015年12月1日にオープンする西条中央病院(愛媛県西条市)の新病棟に設置された。