出光興産と韓国Doosan Corporationは,有機EL材料関連分野における両社の特許の相互活用と製造についての協力に関する覚書を締結したと発表した(ニュースリリース)。
両社は有機EL市場において,有機EL材料を供給してきており,両社ともに,この分野における主要メーカーとして,多数の有機EL材料関連特許を保有し,自社内に製造設備を備えておる。
今回両社は,一方の保有する有機EL材料関連特許を用いて他方が特定の条件下で材料の開発,製造,販売を行なうことを可能とする協力関係の構築に合意した。この協力により,両社の材料開発の加速が見込まれるほか,未開発の分野において,新しい有機EL材料の創出につなげることが可能となるとしている。
また両社は,静岡県御前崎市および韓国京畿道パジュ市の出光の製造拠点と,韓国全羅北道イクサン市のDoosanの製造拠点における製造設備を相互に活用することによって,製造面でも協力を進める。さらにこの協力を通じて製造コストの低減と競争力の向上を目指す。
出光にとって,今回の協力関係の構築は,韓国材料メーカーとの初の本格的なアライアンスになる。Doosanとはこれまで部分的な協力関係があったが,それらを通じて両社間に信頼感が醸成されアライアンスを検討する環境が整ってきたこと,また技術面において両社の強みを生かすことが期待できることから,今回の覚書締結に至ったという。
Doosanにとっても今回の協力関係の構築は,世界最高の有機EL材料技術を保有している出光との協力関係を通して,今後自社の有機EL材料関連ビジネスの範囲を拡大し,継続的に成長する契機となるもの。
この協力関係の構築により,両社は今後一層の拡大が見込まれる有機EL市場における事業の強化・拡大を目指す。なお,2015年12月末までに,この協力に関する本契約の締結をめざすとしている。