ウシオ電機,パプリカ栽培に出資とランプ納入

ウシオ電機,富士電機,清水建設は,太平洋製作所,サラダガーデン,北洋銀行,釧路信用金庫,釧路信用組合とともに,北海道釧路市でパプリカ栽培事業を手掛ける「北海道サラダパプリカ」に出資し,施設園芸事業に共同参画する(ニュースリリース)。

さらにウシオ電機は,釧路の気候に近いオランダの植物工場で実績があるナトリウムランプと,点灯システム一式を納入する。ナトリウムランプは,光合成や形態形成に必要な波長を含む幅広い波長帯域をカバーした放電ランプで,パプリカの育苗を促進し,栽培・収穫の効率化に貢献する。

北海道サラダパプリカは,本年3月に信州サラダガーデンが釧路市の支援を受けて設立した事業会社。すでに,富士電機は8月7日,サラダガーデンは8月4日に出資を終えており,清水建設,ウシオ電機,太平洋製作所,北洋銀行,釧路信用金庫,釧路信用組合の6社は10月27日に出資する。

国内のパプリカ市場は年間消費量が37,000トンに上るものの,約90%を輸入品が占めている。国内には,より新鮮,安全,安心な国産品を求める消費者の根強い声があり,北海道サラダパプリカはそうした潜在需要を開拓すべく,パプリカ栽培に適した釧路の冷涼な気候を利用して,通年にわたり高品質なパプリカを生産・販売する。

事業用地は,釧路市から賃借する約3万㎡の土地(釧路市大楽毛北)。今月内にも太陽光利用型植物工場(23,000㎡),集出荷施設,事務所等の建設に着手し来年3月に竣工,その後,来夏の初出荷に備えてパプリカ(赤,黄,オレンジ)の栽培を始める。

生産施設は,最先端の環境制御技術を駆使することで,最小限のエネルギーで,パプリカの周年栽培を実現する大型園芸施設となる。暖房などの熱源には,隣接する製紙会社からの蒸気排熱を活用する。

作物の販売はB to B型を基本とし,主に首都圏,北海道内の顧客を開拓する。計画では事業開始3年目の2018年に単年度黒字化,事業開始5年目の2020年に生産量600t/年の達成を目指すとしている。