島津製作所は,中国における質量分析計のシェア拡大や,最先端の共同研究・共同開発を推進するため,中国現地グループ会社・島津企業管理(中国)有限公司の北京分公司に「島津中国質量分析センター」を設立し,10月26日に現地で開所式を行なった(ニュースリリース)。
同センターは,同社の質量分析(MS:Mass Spectrometry)技術を活用し,先進的なMS関連の研究を行なう中国現地研究者との共同研究・共同開発を目的に設立した研究開発施設。
ラボ内には,液体クロマトグラフ質量分析計やガスクロマトグラフ質量分析計を始めとする同社のハイエンド機器を設置し,新規アプリケーション開発を通じた各種公定法策定への参画や,ハイエンドな質量分析システムの開発・整備を行なう。
より中国市場に合致したソリューションを提供することで,質量分析計を中心とする当社主力製品のシェア拡大やブランドイメージの向上を目指す。
同センターでは2015年度に従業員10名が業務にあたり,随時人員を拡大していく。食品安全や臨床,製薬,環境などの分野に取り組み,2016年度末までで合計4.6億円以上の研究開発投資を計画している。
中国では,先端分野への研究投資の増加や,食品の安全問題,環境問題などの早期解決が求められているという背景から,質量分析計市場の拡大が予想されている。同社では,中国国内における2016年の質量分析計市場の規模が2013年の約1.3倍に成長すると予想しており,同センターでの取り組みを通じて市場の取り込みと業績の拡大を目指す。
また,同センターで得た成果を日本の本社に帰属させて中国以外の地域にも水平展開することで,各所での製品・アプリケーション開発に生かす。
同社は,「グローバルイノベーションセンター構想」の先駆けとして,2015年7月にも,米国グループ会社SHIMADZU SCIENTIFIC INSTRUMENTS, INC.に「SSIイノベーションセンター」を設立している。今回のセンター開設もこの構想の一環であり,今後も事業の拡大に向けて世界各地にこのような施設の設置を検討していくとしている。