島津製作所,カルニュー精密屈折計の新製品を発売

島津製作所は,レンズやガラスといった透明サンプルの屈折率をを±4×10-5の精度で測定できるカルニュー精密屈折計「KPR-300」を10月20日に発売する(ニュースリリース)。価格は800万円(ソフトウェア込み,税別)

近年,レンズやミラーなどの光学素子や,その材料となる光学素材の高機能化・高性能化が進んでいる。また,これらの光学素子が搭載される分野も,カメラやスマートフォンを始め,車載カメラやヘッドアップディスプレイのような用途で需要が拡大しており,研究開発時だけでなく量産時においても屈折率測定の必要性が高まっている。

同社は,研究開発を主な用途とする高精度・多機能な「KPR-3000」と手動で測定を行なう「KPR-30」という2種の精密屈折計を扱っているが,使用現場の多様化にともない,品質管理などの用途に適した機種を追加して顧客ニーズに応える。

新製品は,再現性に優れた独自の測定方式であるVブロック方式を採用し,日本光学硝子工業会が定める規格JOGIS 01-2003が要求する光学ガラスの屈折率測定精度である±4×10-5を満たしている。これにより,d線(587.56nm)・C線(656.27nm)・F線(486.13nm)という色収差の補正に必須な3種の波長の屈折率を自動測定することができる。

また,試料室のカバーを跳ね上げ式にしたことで,サンプルのセットや位置確認がしやすい。3波長での屈折率自動測定や,アッベ数の自動算出も可能。

同社では,成形条件で屈折率や分散などが変化するガラスモールドレンズや,スマートフォンなどに使用される直径3mm・厚さ1mm程度の小径レンズを始めとする機能性ガラス,機能性樹脂の品質管理など,より製造現場向けの用途で拡販を図るとしている。