オムロン オートモーティブエレクトロニクスは，赤外線レーザーで対象物を検知するLidarと，韓国 現代モービスのCMOSカラーカメラを統合することにより，世界最高クラスの高い認識性能で安全運転を支援できるとする小型の車載用前方監視センサー「LiCam（ライカム）」を開発した（ニュースリリース）。2018年の量産開始を目指す。

自動ブレーキ搭載車の急速な普及に伴い，自動ブレーキシステムの中核となる高性能でコンパクトな物体検知用センサーが求められている。今回開発した「LiCam」は，赤外線レーザーにより30m先の4輪車両を検知できるLidarと，物体を認識できるCMOSカラーカメラを100×100mmサイズのパッケージに統合した小型物体検知用センサー。

「LiCam」は，同社製Lidarと物体の色や形を高精度に認識する現代モービス製CMOSカラーカメラを統合することにより，4輪車両だけでなく，道路上の白線や道路交通標識，歩行者，自動車，バイク（自転車）などの対象物に対する高い認識性能を実現している。

また，レーザーの反射光を横方向と縦方向に分割した多分割受光素子でセンシングすることにより，対象物までの距離を正確に検知する。このため，夜間や逆光などカメラ単体では物体認識が困難な状況で対象物を確実に検知すると共に，認識が困難な壁や湯煙なども検知する。

また，多分割受光素子に対応した信号処理用のASICを新たに開発，部品点数を削減し高感度化と高集積化したことで，小型かつ普及しやすい価格帯での提供を実現した。

同社では25年以上前からメカニカルスキャン方式を採用したLidarを商品化している。今後はこの物体認識技術を高性能かつローコスト化できる電子スキャン方式に活かし，より高精度な前方監視センサーを提供していく。