韓国のベンチャーnanoLambdaは,SCIVAXの表面プラズモンフィルターを用いた超小型分光光度計「apollo」を開発,サンプル出荷を開始する。
この分光光度計のセンサー部分のサイズは5×5×5mm。約1000素子のフォトディテクターアレーに,ナノフィルターアレー装着した。このフィルターは,サイバックスのナノインプリント技術による表面プラズモン構造を持っており,任意の波長のみを透過することができる。
波長域は380〜1050nmだが,UV・IRにも拡張を予定している。波長分解能は<10nm,色度(x,y)は<0.005。アプリケーションとして映像・画像機器の色校正,水や空気などの環境モニタリング,医療・美容,食品などへの応用を提案しているほか,従来の分光光度計よりも圧倒的に小型なことから,IoT向けにも適用したい考えだ。
センサ部分と同様に信号処理に用いるアルゴリズムもこの製品では重要な技術だとし,まずはソフトを組み合わせた評価キットとしてサンプル出荷を始めるが,信号処理部分とのワンチップ化により,さらに実用的な製品になると考えられる。
サイバックスでは現在市場の反応を探っており,今後ニーズを見極めながら,来年にも量産を開始する。価格は未定だが,スマートフォン搭載レベルでの受注があれば,量産効果により10ドル/個程度になるのではとしている。