東芝は,車載用カメラ向けに業界初となるLEDフリッカー抑制機能を搭載した2MピクセルCMOSイメージセンサー「CSA02M00PB」を開発し,2016年3月からサンプル出荷を開始する(ニュースリリース)。
この製品は,同社独自方式のLEDフリッカー抑制回路を搭載することにより,LED光源に起因するフリッカーを抑制することができる。従来の車載向けCMOSイメージセンサーでは、LED式信号機・標識を撮影した場合,点滅した映像が出力され,正しく認識できないなどの問題があった。
また,同社独自の次世代HDR(High Dynamic Range)方式とBSI画素(裏面照射型センサー)を採用し,高精度な映像撮影を実現する。次世代HDR方式は,シングルフレーム方式を引き続き採用し,明暗コントラストの強い環境下でも解像度劣化を低減し,白飛びしない鮮明な映像を撮影できる。同社車載用センサで初めて採用したBSI画素は,従来品と比較してより暗い環境下でも明るい映像を高品質で撮影できるとしている。
さらに,同製品は,故障により人命が脅かされることを回避する故障検知・通知・制御などの機能安全(ASIL:Automotive Safety Integrity Level)に対応する機能を備えている。また,車載用部品の信頼性要求レベルである,車載AEC-Q100(Grade2)に適合し,先進運転支援システム(ADAS:Advanced Driver Assistance Systems)向けの前方センシングカメラやeミラー,CMS(Camera Monitor Systems)などの車内モニターに映し出すビューイング用としても適している。
車載向けCMOSイメージセンサー市場は,先進運転支援システムの重要性および将来的に予測される自動運転のニーズの高まりを受けて,2020年に現在の約3倍に成長すると同社は予測している。同社は拡大する市場の要求に対応すべく,今後も車載向けCMOSイメージセンサー事業を積極的に展開するとしている。