テュフ ラインランド,太陽電池の加速劣化試験を開始

ドイツに本社をおく第三者検査機関テュフ ラインランドの日本法人,テュフ ラインランド ジャパンは,9月9日より太陽電池モジュール向け「高加速温度サイクル試験サービス」を開始すると発表した(ニュースリリース)。この試験サービスは,テュフ ラインランド ジャパンと日立製作所との共同研究成果によるもの。

「高加速温度サイクル試験」は,国際規格(IEC 61215等)の試験条件をより厳しく温度ストレスをより大きくすることで,従来の温度サイクル試験と同等の劣化要因を維持しながら,劣化の進行を加速する。得られた加速係数は,太陽電池モジュールの長期信頼性を試験期間を従来の半分から3分の1に短縮させることができるとしている。

これにより,実環境使用7~10年程度に相当するモジュールの長期信頼性を,約1ヵ月の試験期間(試験前後の出力評価等も含めると8週間)で評価が可能となる。これにより,従来と比較すると,2~3ヵ月要した試験期間を約1ヵ月に短縮できるという。また,この試験サービスの他に,試験期間を延長し,実環境20年相当の評価をする試験も提供する。

このサービスでは,初期の定格出力検証も行ない,初期性能および長期信頼性について3段階のランク付けを行なう。この判定基準は,過去に行なったさまざまなモジュールの信頼性評価結果をもとに策定したもの。

これにより,評価対象モジュールの性能・信頼性の水準が明確にな,モジュール調達者は製品選定時の比較検証や受入検査に,金融機関等は第三者検査機関による資産適正評価(デューディリジェンス)として活用することができる。また,モジュールメーカーは,このランクをマーケティングツールとしてアピールすることができるとしている。