三菱電機は,香港天文台から香港国際空港向け晴天時風観測用空港気象ドップラーライダー2式を受注したと発表した(ニュースリリース)。海外での空港気象ドップラーライダー受注は国内メーカー初となる。
従来の電波を用いるレーダー装置では,雨滴や雲のない晴天時は風速測定ができなかったが,今回受注したドップラーライダーは,単一周波数のパルスレーザーを用いて大気中の塵や微粒子の動きを捉えることで,晴天時でも風速や風向きのリアルタイムな測定ができる。また,高出力光アンプを搭載することで,最大で34km遠方(世界最長※同社調べ)の風計測を実現する。
納入は2015年3月。現在運用中の雨天時風観測用空港気象ドップラーレーダーとあわせて運用することで,全天候における風観測を可能にする。
同社は,東京国際空港(羽田空港)向け晴天時風観測用空港気象ドップラーライダーの更新案件も受注しており,2015年3月に気象庁へ納入,現在運用中。今回の香港国際空港向けの受注を契機に,国内をはじめ,アジア市場・欧州市場での販売強化に向けた取り組みを推進していきたいとしている。