カネカは,銅めっき法により集電極を設けた大面積(6インチ角)のヘテロ接合結晶シリコン太陽電池セルにおいて,変換効率世界最高水準となる24.52%(第三者機関での認証値)を達成した(ニュースリリース)。
この成果は,高品質アモルファスシリコンを用いた結晶シリコン基板の表面欠陥低減技術に加え,IMECとの共同研究の成果を一部適用した銅めっき法による電極形成技術などの独自技術を活用することにより達成した。
結晶シリコン太陽電池の分野で主流となっている6インチ角のセルにおいて世界最高水準の変換効率が達成されたことは,生産コスト低減に大きく寄与するものと期待される。
同社では,今年度中にヘテロ接合結晶シリコン太陽電池モジュールの販売開始に続き製造能力を拡大していく。なお,この成果の一部は,昨年度まで実施した新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)との共同研究の結果,得られたもの。
また,太陽電池セル・モジュールのさらなる高効率化実現に向け,同社は本年度よりNEDOが実施するプロジェクト(「高性能・高信頼性太陽光発電の発電コスト低減技術開発」)に参画し,「結晶Si太陽電池をベースとした複合型太陽電池モジュールの開発」をテーマに研究開発に取り組んでいく。
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