日本レーザー,周波数可変高出力ピコ秒レーザを発売

日本レーザーは,同社が日本総代理店を務める独PicoQuantの新しいピコ秒パルスレーザ「VisIR-765“STED」及び「VisUV」の発売を,7月1日から開始した(ニュースリリース)。日本国内での概算価格(税抜き)は680万円から。

「VisIR-765“STED”」は今年3月にすでに発売されているが,出力はこれまでの500mWから1.5W(波長766nm,パルス幅500ps時)に増強されている。パルス幅は70psまでの短パルス幅も提供できる。

今回新たにラインナップされた「VisUV」は,出力波長を266,355,532 nmから1波長または2波長指定できる。平均出力パワーは2~500mWで,波長や出力ビーム数によって異なる。最小パルス幅は70ps。

「VisUV」は蛍光寿命計測向けに,「VisIR-765“STED“」はSTED顕微鏡の失活用光源として開発されている。これらのパルス幅と良好な円形ビームは,光退色を抑えたサンプル照射に最適であり,STED用のドーナツビームなどビーム成形も正確に行なえる。

いずれのレーザも繰返し周波数を,内部周波数31.25kHz~80MHzから選択,または1Hz~80MHzの外部周波数トリガにより制御できる。ビーム品質が非常に良好で,M2約1.02のほぼ完全な円形ガウス型プロファイルをもつ。

両製品共に,マスターオシレータファイバアンプ(MOPA)による周波数変換技術を採用。マスターオシレータが赤外のピコ秒パルス光(「VisIR-765“STED”」では1530nm,「VisUV」では1064nm)を発振。繰返し周波数はPicoQuant社の実績あるゲインスイッチング技術により可変。このシード光から第2/3/4高調波に変換し出力する。
主な仕様は以下の通り。

VisIR-765 “STED”

VisUV

中心波長

765 nm ± 3 nm

266 nm ± 3 nm, 355 nm ± 3 nm, 532 nm ± 2 nm

最大出力パワー

> 1.5 W at 765 nm

> 2 mW at 266 nm, > 3 mW at 355 nm, > 300 mW at 532 nm

繰返し周波数

Single shot 80 MHz

Single shot 80 MHz

パルス幅

< 70 ps to 500 ps

< 70 ps