DNP,上下反転で絵柄が変わるリップマン型ホログラムを開発

大日本印刷(DNP)は,上下を反転(180度回転)させると絵柄が切り替わるリップマン型ホログラムを開発した(ニュースリリース)。目視で簡単に真贋判定できるセキュリティ製品として,模倣品対策などの用途に向け7月14日に発売する。

リップマン型ホログラムは極めて偽造が困難なため,模倣品対策として多く採用されてきたが,さらにわかりやすい真贋判別機能に対するニーズも高まっている。

このようなニーズに応えて同社は,上下を反転させると絵柄が切り替わる効果を持つリップマン型ホログラムを開発した。絵柄の切り替わりを目視で確認できるため,判定器具を用いなくても,即座に真正品を判別できるようになる。

リップマン型ホログラムは,フィルムに特殊なポリマー材料を塗布して,材料内部の密度を変化させることによって,屈折率の変化として干渉縞を形成する。

その干渉縞に入射する光の回折現象により,立体的なホログラム像が再生される。奥行きのある立体感の表現に優れており,高い意匠性と強固なセキュリティ性能が評価されている。

リップマン型ホログラムの製造には高度な技術を要するため,製造できるメーカは,世界でも同社を含む数社と限られている。その中でも同社は,世界で初めて量産に成功しており,さらに優れたホログラムの表現技術も有している。

さらに,リップマン型ホログラムの転写箔加工は非常に難度が高く,製品の模倣品対策としてリップマン型ホログラムを転写したラベルなどの製品を提供しているのは世界でも同社だけだという。

同社は今後,特別な器具を使わずに,目視で簡単に真贋判定できるホログラムラベルまたはホログラム転写ラベルとして同製品を提供していく。