ショットモリテックス,中国シティック・グループ傘下へ

マシンビジョンと画像関連機器メーカのショットモリテックスは,中国最大級の産業・金融の企業集団であるシティック・グループ傘下のMVジャパンと資本提携関係を構築したと発表した。これに伴い,7月1日より社名を「株式会社モリテックス」へ変更する。

ショットモリテックスは平成20年9月に独ショット・グループの一員となったが,リーマン・ショック以降,マシンビジョンシステム事業の主要販売先である半導体製造装置業界で受注状況が急速に悪化し,また,電子部品実装装置業界,液晶製造装置業界においても,個人消費低迷の影響などにより受注が急減速していた。

ショット・グループも,グループ全体の新たな事業戦略を推進する上で,ガラス製品製造業者として原点回帰する事業戦略を打ち出しており,ショット・グループのコア事業群から距離のあるマシンビジョンシステムを主力事業に据えるショットモリテックスに新たなパートナー候補者を選定し,同社の株式を譲渡することにしていた。

こうした中,MVジャパンは平成26年12月5日,ショットモリテックスの普通株式を公開買付けにより取得すると発表した。これに関しては,ショット日本が保有する同社株式全ての取得について,ショット日本の完全親会社であるSCHOTT AGとの間で合意も得ていた。

シティック・キャピタルは,ショットモリテックスの技術優位性,研究開発能力,営業力等を高く評価している。中国及びアジアをはじめとした更なるグローバル展開を通じて,中長期的に成長が望めるとしており,今回の資本提携関係により,特に中国及びアジア地域市場での優位性の早期確立の確度を高め,収益力強化・企業価値向上の確度を高めることができるとしている。

ショットモリテックスは今後の3カ年計画の目標として,同社の安定した顧客基盤・技術の強みをベースとし,更なる成長のため開拓型ビジネスを推進していくとしている。具体的には,主力事業であるマシンビジョン事業において,半導体・FPD市場でのシェアを拡大しつつ,エレクトロニクスおよび自動車市場の開拓を進めてるとしている。

また,海外市場においては,シティック・グループの経営資源・ネットワークを活用しつつ,特に,中国・アジア市場の開拓に注力するという。