シャープ,ディスプレイ技術を応用した「採光フィルム」を開発

シャープは,液晶ディスプレイの開発で培った光学制御技術を応用した「採光フィルム」を開発した(ニュースリリース)。オフィスの窓に設置することで照明用電力を削減でき,オフィスの省エネ化に貢献するとしている。

従来,窓から外光を直接取り入れると,季節や天候,時間帯によっては眩しすぎる場合があるため,カーテンやブラインドなどにより遮光するのが一般的だった。暗くなった室内を蛍光灯やLED照明などで明るくするため,照明用電力がオフィスにおける電力使用の中で大きな割合を占めていた。

開発した「採光フィルム」は,太陽の年周運動・日周運動を考慮した高度な光学設計に基づいた独自の技術を用いている。表面に微細加工を施すことで,フィルムの片側に様々な角度から入る光を,反対側から一定の角度で出すことが可能。

このフィルムを窓の上部に設置することで,季節や時間帯に応じて変化する入射角度に関わらず太陽光を効率的に天井方向に取り込み,不快なグレア(眩しさ感)を抑えながら室内全体を明るくすることができる。検証では,年間でおよそ4割の照明用電力の削減が可能となる高い採光効果が確認されたという。

この「採光フィルム」をサッシに納めた「自然採光システム」が,ヒューリック虎ノ門ビル(東京都港区)に設置された。