独SCHOTT AGは,モバイル機器用タッチスクリーン向けコーティング技術,ショット「ハード&クリア」コーティングを開発した(ニュースリリース)。このコーティング技術は,タッチスクリーンの表面を傷から守り,直射日光下でも高い視認性を確保することを可能にする。
ショット「ハード&クリア」コーティングのはタイプⅠとタイプⅡがある。
タイプⅠ:超硬コーティング
従来のアルミノシリケートカバーガラスに比べタッチ面の傷を95%以上低減,サファイア・ガラスに近いパフォーマンスを実現
表面反射を75%カット
タイプⅡ:高耐久性反射防止コーティング
従来のアルミノシリケートカバーガラスに比べタッチ面の傷を90%低減
表面反射を85%カット
0.6%の低い反射率によりスマートフォン用途として最高水準の反射防止機能を実現
直射日光下でも,反射を気にせずメッセージを読むことが可能
このコーティングは,業界の標準耐久試験であるスチールウール磨耗試験において,標準的規格である3000サイクルの約3倍の10000サイクル以上の耐久性能を示した(タイプⅠ,タイプⅡ共通)。また,別の試験法として,非常に硬いコランダム質研磨紙を使い,2cm2に荷重2キログラムで,50サイクルの摩耗試験を実施した結果,コーティングによって擦傷が95%以上低減するという結果を得た。これは既存技術のなかでも,最も優れたコーティング効果だとしている。
この研磨紙による試験は,日常生活で起こりやすい,ハンドバッグやポケットの中で鍵,硬貨,砂などと擦れるという状況により,モバイル機器のタッチ面に深く長い傷が生じる過程を想定したもので,ショットが特別に準備した試験。この試験では,擦傷の度合いをヘーズメーター(曇り度計測器)で定量的に正確に計測し,他のソリューションとの適正な比較が可能できる。
このコーティングは,アルミノシリケートガラスやソーダライムガラスなど,あらゆるカバーガラス基材に適用できる。また同社は,この技術をライセンス提供しており,2015年7月には,中国のディスプレイ向けコーティングメーカ,正星(Zheng Xing)光電が,このコーティングを施したカバーガラスの量産を開始する。