コニカミノルタ,開発した蛍光ナノ粒子で病理標本作製を開始

コニカミノルタは,創薬研究分野を対象とした蛍光ナノ粒子による病理標本作製サービスの提供を日本市場にて2015年7月から開始する(ニュースリリース)。

医療,ライフサイエンスの分野で細胞イメージングや生体イメージングの研究開発に利用され,注目されている蛍光検出技術の一分野として,有機蛍光色素を用いた検出技術があるが,従来の有機蛍光色素を用いた場合には,1)褪色する,輝度が低い,2)感度や定量性が低い,という課題があった。

同社ではこの課題に対応するべく,銀塩写真用粒子の開発で培った技術を応用したナノサイズの蛍光体粒子(蛍光ナノ粒子)を開発した。この蛍光ナノ粒子は,褪色の課題を解決し,同時に高輝度化も達成するとともに,抗体を結合して病理染色に応用することで,がん組織の特定タンパク質の検出感度と定量性の向上を図ることができる。

新開発の蛍光ナノ粒子と抗体を結合して病理染色に応用する技術により,臨床試験において最も広く利用されている検体(ホルマリン固定パラフィン包埋組織)を用いて,HER2,Ki-67,c-MET,PD-L1を対象マーカー(今後順次追加予定)とした蛍光ナノ粒子染色標本を作製し,顕微鏡画像,画像解析(オプション)を提供するサービスを開始する。